チェロとその音楽

 先々週の金曜日(2020年9月11日)、大阪府北部コミュニティカレッジの講座2回目をチェロの佐谷記世さんを迎えて担当、シニアの20数名の皆様に聴いていただいた。会場は「ナムの広場文化会館」(大阪府池田市石橋4-15-4)、時間は午前10時からの2時間。

 この講座では毎回受講生からの「今日のひと言」が寄せられるとのことで、幸いなことに「チェロの演奏、すてきでした。心が安らぐ気持ちになり参加してよかったです。」「チェロの音が素敵でした。こんなに近くで聴くと本当に楽しいですね。」「コロナで疲れた心が、まるでビロードの布でくるまれた様な至福な時間でした。音楽はスバラシイ!」などの感想をいただけた。

 なお、11月にあと3回担当の予定(13日:「モーツァルトのあゆみ - 歌曲を中心に - 」 20日:「ヨーゼフ・ラスカとその音楽 1」 27日:「ヨーゼフ・ラスカとその音楽 2」) その頃までにはマスクなしで担当できるようになっているとよいのだが~  以下、当日のレジュメです。[根岸一美:音楽学

 

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ONCC 2020年度(第8期)〖心を豊かにする音楽科〗 第2回「チェロとその音楽」(9月11日) 

 

Ⅰ チェロ(Cello)について

  Violoncelloとも記すように、ヴァイオリン属の低音部楽器。単純に楽器の上端から下端までを比較すると、ヴァイオリンの約60㎝に対して、チェロは(エンドピンを除いて)約120㎝。側板の幅はヴァイオリンの約4倍。弦は[は][と][ニ][イ]の5度間隔に調弦される(ヴァイオリンより1オクターブと完全5度低い)。最低音の[は]から、指板を押さえる通常の方法のみによって、4オクターブを越える広い音域を持つ(奏法によっては5オクターブ近くも可能)。弓はヴァイオリンより若干太いが、長さは一般的には2cmほど短い。19世紀後半にエンドピンが考案されて楽器の保持が楽になり、演奏技術が発展した(それまでは両脚に挟んで弾いていた)。

 

Ⅱ 演奏者紹介

  チェロ:佐谷記世(さたに きよ) 3歳からチェロを始める。これまでに野村武二、杉山實、日比野忠孝、藤森亮一氏に師事。大阪大学および大学院文学研究科で美学・芸術学を専攻(芸術学修士)。現代美術画廊、ザ・フェニックスホール勤務を経て、芸術と学術、社会の接点を探りながら展覧会、演奏会のプロデュースを手がける。チェリストとしても演奏活動を続けている。芦屋交響楽団団員。(ピアノ:根岸一美)

 

Ⅲ 演奏曲目について

  1)バッハ:《無伴奏チェロ組曲第1番》ト長調 BWV1007 [1720年(最終稿)]より プレリュード(前奏曲

  

  2)バッハ:《ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ 第1番》 ト長調 BWV1027[1720年前後?]より 第1楽章 アダージョ

 

ヴィオラ・ダ・ガンバ:16世紀から18世紀中頃まで広く用いられた。一見チェロに似ているが、ヴァイオリン属ではなく、弦は通例6本、裏板は平ら、響孔はC字形、弓は箸のように下から持って演奏するなど、多くの違いがある。

 

  3)ベートーヴェン:《ヘンデルの「ユダス・マカベウス」の「見よ、勇者が帰ってくる」の主題による12の変奏曲》ト長調 WoO 45 [1795年]より 主題と第2・4・6・7・9・10・12変奏

 

 *原曲の合唱曲(CD鑑賞):紀元前2世紀のシリアの支配に対するユダヤ人の独立運動の指導者マカベウスのユダを主題としているオラトリオ《ユダス・マカベウス》の第3幕で、ユダヤ人たちが、ユダス・マカベウス(マカベアのユダ)に対して神が勝利をもたらしてくれたことを感謝して歌う。「見よ、勇者が帰ってくる ラッパを鳴らせ、太鼓をたたけ…」

 

  4)ドヴォルザーク:〈わが母の教え給いし歌〉(原曲:歌曲《ジプシーの歌》 op. 55[1880年] 第4曲)

 

 原曲(CD鑑賞)の歌詞:

 「老いた母が歌を教えてくれた時 なぜか時々涙を浮かべていた

 今 ジプシーの子らに歌を教えながら 褐色の私の頬にも涙がこぼれ落ちる」

 

  5)ドヴォルザーク:〈森の静けさ〉(原曲:ピアノ連弾曲《ボヘミアの森より》op. 68[1883~84年] 第5曲)

  

  6)フォーレ:シシリエンヌ(シチリアーノ)op. 78 [1893年

  

  7)エルガー:愛の挨拶(原曲:管弦楽曲op. 12[1889年])